英語の語彙を増やす方法
英語の語彙を増やす方法について考えてみよう。
事例を挙げたほうが早い。
これに似たホームページを探しているのだけれども、なかなか見つからない。
主観であるが、よいホームページの条件を列挙するとつぎのとおり。
・ アクセス性がよい。すぐに取り組める。
ユーザ登録などの手順がない。最小化されている。
・ 何を覚えればよいかが明確である。
・ 余計な情報がない。シンプルである。
・ 必要な語彙が網羅されている。情報量が十分である。
・ 重要度順、頻度順になっている。
実用で使えるためには、日常英語で2000語程度、専門分野で500語程度は必要であろう。それがカバーされている必要がある。単語の説明が詳しく書いてあるホームページがあるが、単語数が100個程度だったりする。これでは網羅性が足りない。
上のホームページでアイディアを加えるとするとつぎのようになる。
・ 熟語が充実しているとよい。
・ 分野別のページがあるとよい。
・ 英語に限らず、他の分野についても充実されているとよい。
改善点については、改善を要望する側が情報などを提供していけばよいことだ。インターネットの市場に任せれば改善するであろう。
英語力が伸びないのにTOEICを何度も受けたり、英語の学習教材を買うのであれば、その分の資金なり、労働力、情報等の余剰があるということだ。よいホームページに情報なり資金なりが供給され、アクセス数が増えることで、市場原理で改善されていくであろう。
さて、少し脱線する。英語業界の状況について考えてみよう。
英会話学校、予備校、英文学専攻としている大学の研究室などを探しても、上の条件を満たしたホームページがあまりない。また、翻訳会社などでは英語ができる人がたくさんいるはずだが、上の条件を満たしたところが少ない。
英語で収入を得ている人々は、データを無償で公開してしまうと職を失う、あるいはライバルに情報を取られるという意識を持つのであろう。こうした人々が集まると、基本的に情報を公開しないタイプの集団、業界になる。
彼らからすると学生の英語力が向上しないほうが、英語の本も売れ、収入源が確保できる。学生が10年間英語を勉強して英語が話せないと10年間の安定収入が期待できる。20年に引き延ばすことができれば市場が2倍に増える。現状を維持するほど利益になる。
学習効果がお粗末すぎると売上が得られないであろうが、学習側の効率を上げすぎてしまっても、売上が減少してしまう関係になっている。基本的に効率の改善を指向しない業界になる。
学生などのユーザ側は競争状態に置かれている。例えば、英語の得点で進学や就職が決まる。しかし、供給側は生かさず殺さずの現状維持なので効率化は促されない。
学生も他の学生はライバルなので、情報の共有はなかなか進まない。効率の悪い方法を強いられ、何年勉強しても英語力が向上しない。部分最適が進むと、全体としては最悪となる好例といえる。
しかし、インターネットなど情報化が進んだ。生の英語や無償の教材に接することができるようになった。供給側は現状維持だが、ユーザ側は競争状態に置かれているので情報化が進む。ユーザ側が、供給側の組織やシステムが形骸化していることに気づくようになった。その結果、業界ごと衰退していく。
多くの業界で同じことが起きている。自分の給料を上乗せしよう、自分たちを維持しようという観点で制度・仕組みが作られている。供給側は現状維持となっていて変化しにくいがユーザ側は情報化が進む。結果、供給側が衰退していく。
いずれは消えてしまう旧来の仕組み(学習効果の低い英会話学校、大学の研究室など)を維持させてしまうと、効率の悪い組織に税金やユーザ側の資金、労力が回ることになる。効率の悪い組織が併存していると効率のよい他の組織をも停滞させてしまう。例えば、本来なら短期間・低資金で英語力がつくはずなのに、何年も英語の学習をさせられることになる。税負担が余計に重いようなものだ。将来の可能性の芽を摘んでしまうことになる。
ユーザ側の戦略としては、英語に限らずあらゆる専門分野で、情報をどんどん公開してしまえばよいことになる。