情報産業の失敗パターン

情報化は今後、官民問わず、あらゆる分野で起こる。情報産業の失敗パターンがまとめてあったほうがよい。

・ 同じマーケットに皆が殺到する 

 ニュースなどでブームだと報道されると、経営陣含め、皆が同じサービスを提供しようとする。提供される機能はデジタルなので差異がない。低価格にするか長時間労働で補うしかなくなる。結局、デスマーチ化する。
 かつて、アメリカでゴールドラッシュが起きた。砂金取りに殺到した人々は皆、金を買い叩かれ、儲けることはできなかった。儲けたのは、スコップの販売や鉄道サービス会社だった、というようなものだ。

 価格競争になるのは、横並びの発想をしていて、なおかつ、自分の人件費を上乗せしてサービスをしようとする発想しかできないからだ。最初からサービスを無料化しても成り立つようなアイディアでないといけない。

・ ハードウェアの発想をしてしまう 

 情報を扱うはずだったのだが、サーバーやPCなど機器・システムなどのハードウェアを売って儲けようとする。また、ハードのメンテナンスで利益を得ようとしてしまう。ハードウェアの代金を取る格好になるので、パソコンがバージョンアップして通信がうまくいかなくなると、ハードウェアのクレームを受ける格好になる。
 結果、顧客数に比例するように、故障対応、不具合時のバグチェック、電話対応、訪問対応が増加していき、耐えられなくなる。

・ 複雑度がべき乗的に増える 

 情報サービスを続けると、サービスやシステムの種類は増えていく。顧客が増加し、組織も複雑化する。
 それらの人・サービスの組み合わせの複雑度はべき乗のように増していく。顧客対応や社内の書類、打ち合わせの数が増加していく。同じ社内であっても、新技術を理解しない人々、上司が増加していく。対応できなくなってしまう。

・ 囲い込まれてしまう 

 設計ツールやシステム自体が Windows ベースであったり、C# であったりして、Microsoft など特定の企業に囲い込まれてしまう。
 顧客にしても、得意先や大手企業であったりすると、囲い込まれてしまい、顧客の無理な要求も呑まないといけない状況になる。
 所属する企業でも、進捗管理ツールが決められており、管理が強化される傾向がある。
 囲い込まれた、非常に限定された条件下で、複数の人々が競争をすることになる。多くの人々が価格競争に追い込まれてしまう。囲い込まれてしまうと、経験が外部では通用しにくくなる。
 Windows がバージョンアップすると、Microsoft の対応コストを自分が負う羽目になる。旧式のシステムのメンテナンスコストが上乗せされていく。

 ざっと、上記のようなところであろうか。他にもあれば追加したいところだ。
 情報産業のみならず、他の分野でも上記と似た状況が繰り返されるであろう。上の逆をいくくらいでないといけない。