スペースのコスト

 賃貸の相場を使ってスペースのコストを把握してみる。

 都市の郊外に住んでいるとして、3LDK ≒ 73m^2 の部屋を月12万円で借りているとしよう。73m^2 ≒ 22坪、5,400円/坪・月程度となる。1坪≒3.3平米である。

 引越し用ダンボール(大)のサイズは、550mm×400mm×300mm 程度、床面積は0.22m^2、体積は0.066m^3 である。
 部屋の床にこの段ボール箱を敷き詰めたとする。するとトータルで、73m^2/0.22m^2 = 331個に相当する。部屋にダンボールを4段くらい積むことができるとすると、部屋に入るダンボール箱の総数は、331個×4段 = 1,324個となる。
 12万円で借りた部屋に1,324個のダンボール箱が入る計算となるので、1個あたり91円/月のコストがかかることになる。

 郊外であれば、1個のダンボール箱のスペースに約100円/月のコストがかかっていると覚えておけばよい。
 東京都の都心であれば、上記の2倍くらいする部屋はたくさんある。従って、200円/月程度はかかっていることになる。

 ダンボール1個の床面積に人が座っているとすると、そのスペースに4段分、400〜800円/月がかかっていると暗算で見積もることができる。
 オフィス机の場合、大きさは、幅1,000mm×奥行き700mm×高さ700mm 程度である。床面積は0.7m^2、ダンボール箱4個分の床面積に相当する。すると、郊外で1,600円/月、都心で3,200円/月の維持費がかかっていることになる。

 この維持コストの分、そこにいる人は、余計に働き続けないと将来がなくなることを意味する。
 例えば、そのスペースに座っているだけの人がいたとする。座っているだけでは収入がない。しかし、その人を削減してスペースを賃貸に出せば、賃貸収入が得られ、裕福になっていく。結果、スペースを無駄にしていると、相対的に貧しくなって、いずれは排除されていくことになる。

 いまは USBハードディスクなどの価格が非常に安くなっている。デジタルデータで情報や資産を所有できれば、維持コストは、ほぼゼロにできる。ダンボール1箱分を処分すれば、100〜200円/月程度、維持コストを削減できる。
 従って、書類などのデジタル化を進めて、ダンボール箱単位でスペースを減らし、人・モノ・場所への依存度を下げれば、維持コストに対する情報の活用度をほぼ無限大にできることになる。負担が減って身軽になる。

                終わり