文系・理系の弊害

 高校教育から文系・理系にわけてしまうけれども、今はこの弊害が大きくなっていると思う。
 「理系だから…」、「文系だから…」というロジックはそもそもおかしい。
 外国人でこうした基準でものごとを判断をする人はあまりいないのではないだろうか。「経済が専門だから、…」のほうがまだよい。

 「理系だから経営は他人任せでよい」とか「文系だから技術的なところは誰かを信じればよい」といった考え方に慣れてしまうと、判断に弱点ができる。弱い集団になる。

 大学も、理系・文系でキャンパスを分けるなどせず、自分の専門分野を1つと、できるだけ離れた分野をもう1つくらい専門レベルで選べるとよい。

 これは、複数の専門を混ぜよといっているのではない。両方が選択でき個々を極めることのできる勉学の機会を与えよということだ。ラーメンとチャーハンがあったら、混ぜたらダメなのだ。

 例えば、計測工学と会計学を専門として学べるようにする。民法と計算機工学を同時に学べるようにする。材料工学と医療を同時に学べるようにする。
 大学院では、できるだけ異分野を組み合わせ相乗効果の高い研究ができたら高評価とする。
 いまどき、大学がこれくらいの機能と役割を持っていてもよいであろう。

 今は就職時、①専門分野、②外国語(英語)、③会計くらいの知識が必要ではないかと思う。

 会計は、財務・ファイナンスでもよい。これは、自分の給料がどうやって出てきているのか、感覚的に分からないといけないと思うからだ。赤字部門に配属されて数年が経つと、それが当たり前だと思ってしまう。危機察知能力、対応能力を失ってしまう。
 情報化が進んでいて、文系・理系でわけてしまうとか、自分の専門以外は知らなくてよいと発想するタイプの人々の弱点がことごとくさらけ出される環境になっている。